木曜日, 4月 3, 2025
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ヤング・サグ、AEGとの億単位の訴訟に終止符 – 音楽業界の「闇契約」に決着をつける

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ヒップホップ界の異端児、ヤング・サグ(Young Thug)が、世界的エンターテインメント企業AEG(Anschutz Entertainment Group)との数百万ドル規模の泥沼訴訟にようやく終止符を打った。金と権力が渦巻く音楽業界の「闇契約」として話題になった本件は、2017年のツアー契約に端を発するものであり、AEGはサグに対し「5.25百万ドル(約7.8億円)」の負債を請求していた。

Young Thug, ヤングサグ
Young Thug, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons

「違法契約か? それとも正当な請求か?」
問題の発端は、ヤング・サグが2017年にAEGと結んだ契約だ。当時、サグはAEGから5.25百万ドルの前払い金を受け取る契約を結び、その見返りとしてツアーの独占プロモート権を同社に譲渡していた。しかし、サグ側はその契約を完全に無視し、AEGを介さずにコンサートを開催し続け、その収益を独占していたのだ。AEG側の主張によれば、これは明確な契約違反であり、サグにはツアー収益の返還と負債の清算義務があるとされていた。

裏切りの出版権売却 – AEGの怒りを買った「16百万ドルの取引」
さらに事態を悪化させたのが、サグが2021年にKobalt Musicへ自身の楽曲出版権を16百万ドル(約24億円)で売却したことだ。この動きに対し、AEGは激怒。というのも、契約違反による違約金を回収する権利があるにもかかわらず、サグは自らの音楽資産を勝手に売却し、違約金の支払いを逃れようとしたからである。

AEGは訴訟の中で、サグが契約時に「Young Stoner Life(YSL)」ブランドの商標や楽曲の出版権の一部を担保として提供していたと主張。つまり、サグがこの出版権を売却したことで、AEGの取り分が消滅する事態となったわけだ。これに対し、AEGは即座に追加訴訟を起こし、出版権売却の利益も含めた賠償を求めたのである。

RICO事件による裁判の中断 – そして再開
この訴訟は一時中断していた。なぜなら、ヤング・サグがYSLギャングとの関与を疑われ、2022年にジョージア州でRICO法(組織犯罪取締法)に基づき逮捕されたためだ。だが、サグが2023年10月に釈放されると、AEGはすぐに訴訟を再開。貸し倒れリスクが高まる前に、5.25百万ドル+利息+Kobaltとの契約金の全額回収を狙ったのである。

そして2024年2月14日、ついに和解が成立。裁判所は両者の合意を承認し、正式に訴訟は終結した。しかし、和解の詳細な条件は非公開とされており、サグがどの程度の賠償を支払ったのかは不明のままである。

ジョージア州がサグの高級ジュエリーを返還
さらに、サグに関する新たな動きも報じられた。ジョージア州の裁判所は、2022年の逮捕時に押収されたサグのジュエリーを返還するよう命じた。この中には、「King Slime」と刻印されたロレックス・デイトジャスト、ダイヤモンドのクロス・ペンダント、緑の宝石が埋め込まれたネックレス、ダイヤモンド・テニスネックレス、さらにはダイヤモンドのスタッドピアス2点が含まれる。しかし、これらのアイテムは直接サグに戻るのではなく、彼が購入したジュエリーショップ「Rafaello & Company」に返還される予定だ。

音楽業界の暗部が浮き彫りに
この一連の騒動は、音楽業界における契約の不透明性や、アーティストが負う巨額の負債リスクを改めて浮き彫りにした。ヤング・サグは、音楽業界の「ビジネスの闇」に翻弄されたのか、それとも自身の契約違反による自業自得なのか——その真相は、和解内容が公表されない限り、闇の中である。

音楽業界の裏側に潜む「契約地獄」
ヤング・サグの訴訟は、一見すれば単なる金銭トラブルに思えるかもしれない。しかし、その背後には、アーティストが業界の大手企業に翻弄される構造的な問題が存在する。サグが負債を抱えるに至った経緯を見ても、彼が自らの楽曲の権利を守ることがいかに難しいかが分かる。契約の罠にかかり、自由を奪われるのか。それとも、正当なビジネス戦略で生き残るのか——現代のアーティストたちにとって、避けて通れない現実であるのだろう。 VIA

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