90年代のRay J(レイ・J)は姉でR&BシンガーのBrandy(ブランディ)の可愛い弟としてデビューして、歌手の父親や姉譲りの歌唱力と見た目で歌ったり、はたまた姉絡みの番組で演技していたりして、ティーン時代はそこそこ人気でもてはやされていたのを覚えている。だが気づいたら獄中のSuge Knight(シュグ・ナイト)やDiddyの息子らとビーフを繰り広げており、中年期に入った近年はもっぱらそっちで有名になっているようである。10年前、米国音楽界のディーバことWhitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)が亡くなった時も、一時レイ・Jも関係があったとやらで名前が挙がっていたが、どうやら饒舌なシュグがThe Art of Dialogue(ジ・アートオブ・ダイアローグ)とのポッドキャストインタビューで再び大きな爆弾を投下したようだ。
それによると、どうやらシュグはSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)とレイ・Jの関係が2Pacの殺害に関係していると述べたそうだ。彼曰く、レイ・Jからの電話を録音しており、そこでスヌープから自分が2Pacの殺人に関与していると告げられたと伝えていた。それに加え、レイ・Jがホイットニー・ヒューストンの殺害にも関与していると述べ、レイ・Jにインタビューで2Pacとホイットニーについて話さないよう助言したという。また、彼の「薬問題」と「ギャングスタ活動」についても触れ、シュグの家族やDeath Row(デス・ロウ)についても話さないよう忠告したそうだ。
シュグの息子、Suge Jacob Knight(シュグ・ジェイコブ・ナイト…シュグ・Jとここでは呼ぶ)は家族を軽視し虚偽を広めたとして、上記のインタビューが出る前の2月18日、レイ・Jに戦いを挑みソーシャルメディアを騒がせた。既に削除されたインスタグラムの動画でシュグ・Jは「単刀直入に言うぜ。レイ・J、Bro、このフェード(戦い)をどうするつもりだ?シュグ・J対レイ・Jのファイトだな。早速本題に入るぞ。お前は俺たちの家族のことを話してぇんだろーし、嘘を広めたいんだろ。なら、シュグ・J対レイ・Jだ。だって、おめぇは生涯ホームスクールで教育を受けてきたんだからよ、Bro。俺はCrenshaw(クレンショー高校)を卒業したんだぜ。ま、お前にその準備ができているとは思わねぇけど、これは本当の西海岸のフェードだ、俺はコムズ(Diddy一家)じゃねぇんだよ、ナイト(一家)の一員だからな」と息巻いていた。補足をすると、アメリカでは芸能人やお金持ちの子ども含め、親の教育方針や家庭の事情で学校に通う代わりにホームスクールで教育を受けており、芸能人一家のレイ・Jも例外ではない。対して芸能人やスポーツ選手を多く選出しているクレンショー高校は暴力や闘争問題で全米でもかなり悪名高い。ここでは「箱入りおぼっちゃま」と「ストリート育ち」を意味している。
毎回思うのだが、インタビューに答えるシュグさんの声が強面の見た目に反し、スヌープ系のソフトな声質で拍子抜けする。決して皆が想像するようなドスの利いた声ではない。それはさておき…やはり彼はスヌープに対し個人的な恨みを抱いているようである。もちろん、社会的立場が完全に逆転したスヌープが彼の戯言に反応するとは到底思えない。また上記で触れた亡くなる直前のホイットニーとレイ・Jの関係だが、当時ふたりは恋人同士だったとの噂もあれば、レイ・Jはただ単に彼女のドラッグ提供者だったとの噂も流れていた。自身の音楽や俳優活動よりスキャンダラスな話題にしか名前が上がらなくなってしまったレイ・J。そろそろ芸事で勝負して名誉を挽回して頂きたい。