水曜日, 4月 2, 2025
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Kendrick Lamar (ケンドリック・ラマ―)のスーパーボウルパフォーマンスに隠されたメッセージを紹介!

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先週のグラミー賞に引き続き、2月9日もKendrick Lamar (ケンドリック・ラマ―)がまたセンセーションを起こしたぞ!

]言わずもがな素晴らしいハーフタイムショーのパフォーマンスではあったが、めくるめく煌びやかな舞台やダンス、衣装や音響等に目を奪われていて、根底にあったメッセージを汲み取る暇が無かったかもしれない。既にテレビや動画で視聴済みの読者の皆さんに、各誌が分析したケンドリック・ラマ―のメッセージを紹介する。

まず、The Source誌が紹介したサブリミナルメッセージは以下の通りである:

  • Samuel L. Jackson(サミュエル·L·ジャクソン)が映画『ジャンゴ』で演じたようにUncle Sam「アンクルサム」を演じた
  • サミュエル·L·ジャクソンがケンドリックに白人アメリカ人が望んでいるゲームをし「ゲトー」にならないように警告した
  • 金持ちが貧乏人を殺すことを象徴するイカゲームのようなステージ
  • レッド·ホワイト&ブルーのダンサーはアメリカ国旗を表現
  • また彼がラップをしている間、舞台は黒人パフォーマーが調和し、刑務所の庭のようでもあった
  • ドレイクから敬意を示されなかったSerena Williams(セリーナ·ウィリアムズ)のような黒人女性を保護
  • そしてもう一度、Drake(ドレイク)とアメリカにNot Like Usであることを念押し

なるほど。彼が予言していた「ストーリーテリング」が読み取れる。また、Buzzfeedでは類似解説もあったが、他の面白い分析を行っていた。幾つか抜粋しよう:

  • 登場したのはただの車ではなく1987年式のビュイックGNX (ビュイック・リーガルの一種) であった。注目すべきは、この年はケンドリックが生まれた年であり、GNXというタイトルの彼の最新アルバムへの言及でもあった。ケンドリックは自分でもその車を所有しているだけでなく、生まれた後父親がビュイック・リーガルに乗って家まで送迎してもらったこともあり、長い間この車への賞賛をラップしてきた
  • 彼のジャケットは「Gloria」と書かれており、これはGNXの最後のトラックへのオマージュである。彼のネックレスは小文字の「a」であり、おそらく「Not Like Us」の中で彼がドレイクについて語る「Tryna strike a chord and it’s probably A minor.」というラインへの言及の可能性であった。背中には会社名である pgLang のロゴが
  • ケンドリックのツアーパートナーSZAは、彼女の同名の曲にちなんだ「Crybaby」というワードが装飾されたジャケットを着用。彼女のネックレスは「Lana」と書かれており、これはSOSのデラックスバージョンと彼女の名前、「Solana(ソラナ)」にちなんでいる
  • ケンドリックは「Not Like Us」をからかいながら「奴らのお気に入りの曲を演奏してーけど、あいつら訴訟が大好きなの知っているだろ?」と言い、これはおそらくドレイクがこのディストラックの人気をめぐって自身のレーベルを訴訟したことを指している
  • 間奏でケンドリックは「Forty acres and a mule, this is bigger than the music.(40エーカーとラバ、これは音楽よりもでかい)」とラップし、自身の曲『Wesley’s Theory(ウェスリーのセオリー)』を想起させた。これは南北戦争後に奴隷にされた人々を解放するという約束だったが、その約束が反故ことを示唆している
  • その後、「They try to rig the game, but you can’t fake influence.(彼らはゲームを不正にしようとしているが、影響力を偽ることはできない)」とラップし、米国の組織的な人種差別についてさらに言及
  • 「Not Like Us」では2010年代初頭にドレイクとデートしていると噂された、同じコンプトン出身のテニス選手、セリーナ・ウィリアムズがカメオ出演(後にドレイクは2022年のラップで彼女の夫を侮辱した)。セリーナが踊っているダンスは「Crip Walk(クリップ・ウォーク)」で、ウィンブルドンでこれを彼女が踊ったことで激しく批判された。実際、これはプログラムのメッセージの1つである、黒人が公共の場でどのようにパフォーマンスすることが期待されているかという問題と非常に関連しているように感じられる
  • 最後のキャメオ出演は「Not Like Us」のプロデューサーでケンドリックが「TV Off」で叫んだMUSTAAAAARD(マスタード)だ。ケンドリックはこの曲の歌詞の一部を変更し「スーパーボウルで偉業を達成した、君は糖尿病だ」とラップした(注:現時点でDJマスタードが糖尿病、という情報は無い)

この舞台を通して「イカゲーム」もどきケンドリックの「アメリカンゲーム」が繰り広げられた。筆者にはこのショーが、社会(や富裕層)が求めている「建前・表面的なもの」とその根底にある「本音と本質」を洗い出しているように見えた。補足をすると、「ミスターラマ―、ゲトー過ぎないように!」と合間に現れては苦言を吐いたり注意していたサミュエル・L・ジャクソンの「アンクルサム」はアンクルサムの格好をした「Uncle Tom(アンクルトム)」であった(注:アフリカン・アメリカンコミュニティと文化に背を向け、白人アメリカ人への従属を喜んで受け入れる黒人を指している)し、実際映画『Django(ジャンゴ)』でも彼は似たようなキャラを演じていた。上記の刑務所の庭を連想させる演出も、アメリカにおける人種差別による特定の人種の大量投獄の問題や、刑務所に収監されている人々の人種的な対応格差を強調していたようにも見える。

筆者もルイジアナに住んでいたと以前述べたが、ニューオーリンズはケイジャン料理やクリオール料理のように、独自の文化や歴史があり奥が深くとても繊細で複雑な都市である。ケンドリック・ラマ―は見事にハーフタイムという短い限られた時間内のショーに意味を持たせ、舞台を演出した。演者がニューオーリンズ出身のLil Wayne(リル・ウェイン)であったら地元民は喜び、違った雰囲気で舞台を盛り上げることは可能でっただろうが、品位やバランスを保ちながらここまで深く掘り下げてメッセージをアメリカに伝えられたであろうか?答えは否、である。もちろんリル・ウェインも素晴らしいリリカルな刺客ではある。そこは間違いない。そもそも彼とケンドリックはアートや音楽のスタイルが異なるので比べること自体愚論ではあるが、今回に限ってはロック・ネーションの目論見が見事に当たったとも言える結果となった。1回視聴しただけでは意味が汲み取れなかった読者はこの記事を読んでもう一度観てみよう!違った観点で楽しめるぞ! VIA VIA2

  • https://www.buzzfeed.com/natashajokic1/kendrick-lamar-super-bowl-halftime-show-details
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