90年代、その美しさとパワフルな歌声でテハーノ(Tejano:テキサス州出身で生まれ育ったテキサス住民を指す言葉)の女王と呼ばれた悲劇の歌姫セレーナ。彼女を直接知らずとも、1997年ジェニファー・ロペスが主演した映画『Selena』や、2020年にNetflixで放映された『Selena: The Series**』**を観て知った人も多いだろう。もし生きていたら、恐らくヒップホップ界にもその美貌とカリスマで多大なる影響を及ぼしていたに違いない。現在ラテン系シンガーを代表するJ-Loやシャキーラ以上の、アメリカ音楽界のスーパースターになっていたはずだ。筆者も若かった90年代、彼女の代表曲『Dreaming of You』や『I Could Fall In Love』などはずっと聴いていたし、あの歌声、美しい容姿と可愛い笑顔に、ラテン系のファンのみならず全米の老若男女みんなが元気をもらっていた。本当に惜しい逸材を失ったものだ。
30年前の事件とは?
Source誌は「1995年にテハーノの最愛の音楽スター、セレーナ・キンタニージャ=ペレスを殺害した罪で有罪判決を受けた女性ヨランダ・サルディバルは、間もなく仮釈放に向けて事件の審査を受けることになる。テキサス州の仮釈放委員会は、ラテン音楽界を震撼させた悲劇的な銃撃事件から30年を迎える2025年3月下旬にサルディバールの釈放資格を検討する予定だ」と報じた。
元看護士のヨランダ・サルディバルは、セレーナの元ファンクラブ会長で彼女の服飾店も管理していた。殺害の動機はセレーナが財務記録の矛盾を発見し、役職を解雇され、事業口座からも切り離されたことによる。セレーナはモーテルの部屋から出ようとしたところ、サルディバルに背中から撃たれた。重傷を負った彼女はロビーに向かい、サルバディバルに撃たれたとホテルスタッフに告げて倒れたそうだ。残念ながらその日の午後、セレーナは23歳という若さでこの世を去った。
仮釈放のプロセス
仮釈放のプロセスだが、セレーナの家族を含む裁判関係者と登録された被害者には仮釈放審査の通知が届き、決定についての意見を提出できるようになるという。手順の一環として、施設の保護観察官がサルディバルと面接し、関連するすべての詳細を記載した書類が検証のために投票仮釈放委員会に送付される。その後サルディバルに仮釈放が認められれば、2025年3月30日までに釈放される可能性があるという。しかし、委員会が仮釈放を拒否した場合、通常は決定から1年から5年の間に新たな審査日が設定されることになる。セレーナの家族、ファン、そしてより大きなテハーノミュージックコミュニティは、犯罪の残忍さとセレーナの死の永続的な影響を考慮して、サルディバルの釈放に反対の声を上げ続ける可能性が高い。仮釈放委員会がこれらの要因と、投獄中のサルディバルの行動を考慮した上で、30年間刑務所で服役していた彼女が釈放される機会が与えられるか否かが決まるらしい。
時を超えても良曲は良曲♪
筆者もこの痛ましい事件を昨日のことのように覚えているが、光陰矢の如し。もうあれから30年も経ったのかという感慨深さと、あの自己顕示欲と勘違い自己重要感の塊みたいなヨランダおばさん(と筆者は勝手に呼んでいる)が釈放されるかもしれないという事実に、何とも言えない複雑な心境である。
ただ一つ言える事は、良曲は時を超えても良曲である、という事実。セレーナを知らない世代の皆さまも、これを機に是非彼女の楽曲を聴いてもらいたいと筆者は密かに思う。