Tyler, The Creatorが予告なしにファンを驚かせた新作映像「THAT GUY」をリリースしたのである。年の瀬にあたる12月25日、その映像作品において、Kendrick Lamarの楽曲「hey now」(アルバム『GNX』所収)を下敷きにした即興のラップを披露し、ファンの間で大きな反響を呼んでいる。撮影場所は彼の地元であるカリフォルニア州ホーソーンを中心に展開され、彼特有の力強いライムと独自のファッションスタイルが全編を彩る内容となっている。
「THAT GUY」ビデオの見どころ
今回のビデオでは、Tylerがブレない自信を巧みに示すバースを連発しているのが印象的である。フリースタイルの中で「リル・バニーが飛び出してくるだろう」といった一節を盛り込み、自身がKendrickのロサンゼルス公演「Pop Out」に姿を見せたエピソードにも言及している。その場面については、オーディエンスの熱狂ぶりを「2Pacが蘇ったかのような大騒ぎだった」と回想するなど、派手な演出とともに語られている。
Odd Futureメンバーたちが集結
さらに、ビデオ内にはOdd Futureの仲間であるTravis “Taco” Bennett、Lionel “L-Boy” Boyce、そしてJasper Dolphinがサプライズ出演している点も見逃せぬポイントである。彼らは初期からTylerと行動を共にしてきた盟友であり、久々の共演がファンのノスタルジーを刺激することとなった。Tyler自らが監督を務めた本作において、彼らの自然なやり取りが随所に収められていることが、作品全体の空気をより一層盛り上げているのである。
Kendrick Lamarの「Pop Out」に駆けつけた理由
Tylerが夏に行われたKendrick Lamarの「Pop Out」ショーに登場したのは、まさにギリギリの決断であったとのこと。ビルボード誌へのインタビューによると、当時Tylerはアトランタで新作アルバムの制作に追われており、本来ならロサンゼルスに戻る予定はなかったという。しかし、ふと「この機会を逃したくない」という思いが募り、朝イチで飛行機に乗って強行参加したそうである。会場に直行した彼は、おなじみの曲「Earfquake」を披露し、観客を大いに沸かせた。
「歌もの」の自信
Tylerは自身の音楽性について、R&B色の強い楽曲に手応えを感じているとも語っている。「自分はラップよりも、むしろ歌モノで魅せるほうがうまいかもしれない」と自負し、実際その路線で成功を収めているのは周知の事実である。今回の「THAT GUY」で聴かせる堂々としたラップと併せて、彼の幅広い才能に再度注目が集まっているのは当然の流れといえよう。
まとめ
このホリデーシーズンに突如舞い降りたTyler, The Creatorの新たなフリースタイル映像は、2023年を通して精力的に活動してきた彼の集大成ともいえる仕上がりである。Kendrick Lamarの楽曲に大胆なラップを重ねることで、ファンとの結束を深めつつ、Odd Futureの仲間たちとの再会をも果たしている点が興味深い。今後、どのような音楽的進化を遂げるのか、ますます期待が膨らむところである。 Via