ヒップホップ界を揺るがす新たな火種が生まれようとしている。先週、ケンドリック・ラマーが予告なしに新アルバム『GNX』をリリースし、音楽ファンたちは歓喜と混乱に包まれた。アルバムではこれまで語られてこなかったテーマが掘り下げられ、その中には第59回スーパーボウル・ハーフタイムショーに関する話題も含まれていた。ケンドリックの出演が発表されたこのイベントだが、ニューオーリンズ出身のリル・ウェインが選ばれなかったことで多くのファンから不満の声が上がっていた。
これに対し、リル・ウェインはSNS上で率直に心境を吐露。
「正直、すごく傷ついたよ。あのステージに立つ以上の栄誉なんてないと思っていたから、本当に心が折れた。それでも、なんとか自分を立て直そうとしている」と語った。
しかし、この発言はケンドリックの耳にも届き、彼のアルバムの収録曲「Wacced Out Murals」で直接言及されることとなった。
「『Tha Carter III』を流してた俺のロレックスのチェーンが誇らしかった皮肉なもんだ、俺の成功がリル・ウェインを失望させるなんてな」
「スーパーボウル制覇して、祝福してくれたのはNasだけだった」
この歌詞はウェインの心に再び火をつけたようで、ケンドリックと直接話をつけようと電話をかけたとされている。しかし、結果は無情にもケンドリックからの応答はなし。それが、さらなる波紋を生むきっかけとなったようだ。
ジョー・バドゥンは自身のポッドキャスト『The Joe Budden Podcast』で、こう語っている。
「俺の耳に入ってきた話では、誰かがケンドリックに電話をかけて状況を確認しようとしたらしい。でも、彼は応じなかったらしいんだ。その後、ウェインはブース(スタジオ)に入ったと聞いてる」
バドゥンと共同司会者たちは、この一連の流れを受けてヒートアップ。もしウェインがディストラックを発表した場合、ケンドリックの勢いを止められるのかという議論が白熱した。特にここ数カ月、絶好調のケンドリックがアルバムリリースと同時に音楽シーンを席巻していることを踏まえると、ウェインにとってハードルは高そうだと予測する声も少なくない。
だが、ヒップホップにおけるバトルは言葉の芸術。リル・ウェインがこれまでに見せてきた類まれなるライムスキルを考えれば、ケンドリックに対抗するための十分な武器を持っていると主張するファンも多い。
果たして、このディストラックが日の目を見る日は来るのか。そして、それがどのような影響を与えるのか。ヒップホップ界の新たな抗争は、確実に幕を開けようとしている。Via