ケンドリック・ラマーのビジュアル作品は常に議論と注目を集める存在である。
11月22日(金)にリリースされた6枚目のアルバム『GNX』に関連し、ケンドリックは月曜日の午後から多くの追加プロモーションを展開している。その中には、アルバムのフィジカル版が3種類のバイナル仕様で発売されることが含まれており、CD、カセット、さらにはデジタル版もリリースされる予定である。デジタル版以外はすでに予約が可能で、発送は3月初旬から順次行われるとされている。
しかし、さらに注目を集めたのは本日公開された「Squabble Up」のミュージックビデオである。この楽曲は新アルバムの中でもヒット候補とされており、そのビジュアル化によりファンの期待を大きく超える形となった。
ファン待望の完全版ビジュアル化
「Not Like Us」のビジュアルが話題となったことから、「Squabble Up」のMV公開は多くのファンが待ち望んでいた出来事である。公開後わずか4時間で再生回数が200万回を突破するなど、その人気の高さが証明されている。さらに、同楽曲は音楽ストリーミングサービスでも大きな注目を集めており、Hot 100でのチャート首位デビューも有力視されている。
ケンドリックの作品に共通する特徴として、細部へのこだわりやカルチャーへの敬意が挙げられるが、今回のビジュアルも例外ではない。「Squabble Up」のMVでは、カリフォルニアやウェストコーストのヒップホップ文化へのオマージュが随所に散りばめられている。
アイス-Tかカニエか、ファンの間で議論
一方で、MV内のあるシーンを巡っては、一部のファンの間で議論が巻き起こっている。そのシーンでは、壁を背に立つケンドリックと、緑の背景の前で半裸の女性が立っているという構図が描かれている。この構図について、一部のファンはカニエ・ウェストの『Vultures 1』のカバーアートに似ていると指摘している。カニエのカバーアートでは、彼がカメラに向かって立ち、妻であるビアンカ・センソリが背中を向けた状態でほぼ裸の姿を見せている。
実際には、このシーンはアイス-Tの1987年のアルバム『Power』へのオマージュであり、当時のカバーアートには白いユニタードを着た女性が登場していた。コメント欄で一部のファンが誤解を解消したことで、ICE-Tのオマージュである説が濃厚である。この事実は、ケンドリックが自身の芸術的表現にどれだけの労力とリサーチを費やしているかを改めて示している。
ICE-T自身もインスタグラムで「ありがとう、今の君には力がある」とコメントを残した。
ケンドリック・ラマーの新作は、単なる音楽やビジュアルを超え、アーティストとしての深いこだわりと文化へのリスペクトを感じさせるものである。今回の「Squabble Up」も、その一環として多くの議論を生みながら、ヒップホップ文化の歴史と未来をつなぐ重要な作品として評価されていくだろう。Via