2024年、ケンドリック・ラマーはその卓越した才能を改めて証明している。先日、突如としてリリースされた新作『GNX』は、ヒップホップ界に大きな衝撃を与えた。リリースに先立ち、ラマーはわずか1分間のティザートレーラーをYouTubeで公開。この映像を見た多くのファンは、アルバムのプロモーションが本格的に始まると思っていたが、その数時間後に全12曲が収録されたアルバムが公開され、驚きの声が上がった。
新作を絶賛する声が相次ぐ一方で、否定的な意見も少なからず存在する。その中でも特に注目されるのが、物議を醸すメディアパーソナリティであるDJ Akademiksのレビューだ。彼はこれまでケンドリック・ラマーよりもDrakeを支持する姿勢を明確に示しており、二人の確執が話題になった際も一貫してDrakeの肩を持っていた。しかし今回、彼は意外にも『GNX』に対して肯定的な評価を下している。
Akademiks、驚きのレビューを発表
Akademiksは、自身のライブ配信中にリスナーから寄せられた「3/12」という低評価コメントに反論し、ケンドリックの新作を擁護した。「正直に言うと、これはかなり良いテープだ。フェアに評価しなければならない」と語り、『GNX』のクオリティを認めた。また、タイミングを見極めたリリースが戦略的に非常に賢明だとも述べている。
彼の見解では、『GNX』は2017年にリリースされた『DAMN.』に似た「聴きやすい作品」であり、アーティスティックな面での挑戦が少ないと批判する声も理解できるという。しかしそれでも、「全体としては素晴らしいテープだ」と彼の評価はポジティブであった。
『GNX』は「アルバム」ではない?
一方で、Akademiksは『GNX』が正式なスタジオアルバムではない可能性を指摘している。現在、多くのメディアが『GNX』をケンドリックの「6枚目のスタジオアルバム」と報じているが、Akademiksはこれに異論を唱えている。「これは次のアルバムじゃないだろう。Spotifyには載ってるけど、これはただの“テープ”だと思う」と述べ、アルバムではなくミックステープのような位置付けではないかという見解を示した。
ケンドリック・ラマーが頻繁に作品をリリースするタイプではないことを考えると、Akademiksの指摘には一定の説得力がある。通常、彼の新作は年単位で待たされることが多く、1年に複数回のリリースはほとんど見られない。それだけに、今回の『GNX』が「Untitled Unmastered」のようなサイドプロジェクトの一環である可能性も否定できないというのが彼の主張だ。
結論
DJ Akademiksによる『GNX』のレビューは、彼の過去の発言やDrakeへの偏った支持を踏まえると驚きと共に受け止められている。彼の発言からは、今回のリリースがケンドリック・ラマーのキャリアにおける新たなフェーズを予感させる一方で、まだ完全には解明されていないプロジェクトの一部である可能性も示唆されている。
いずれにせよ、『GNX』は既に多くのファンと評論家から注目を集めており、2024年を象徴する重要な作品になることは間違いないだろう。ケンドリックが次に何を仕掛けるのか、今後も目が離せない。Via