以前から噂されていたケンドリック・ラマーの新作アルバム。ついに彼がその予告なしのリリースを決行した。新作アルバム「GNX」が突如公開され、SNSは一気に盛り上がりを見せている。ファンたちはすでにアルバムの内容を一行ずつ深掘りし、早くも話題になっているのが、オープニングトラック「wacced out murals」の中で触れられているスヌープ・ドッグの行動についてだ。
この楽曲の中で、ケンドリックはスヌープ・ドッグがドレイクの「Taylor Made Freestyle」をInstagramストーリーでシェアしたことに衝撃を受けたと告白している。この楽曲は、AI技術を使ってスヌープと2Pacの声を再現し、ケンドリックをディスる内容で物議を醸していた。ケンドリックは次のようにラップしている。
「Snoopが”Taylor Made”を投稿した、俺はただのエディブル(大麻入り食品)のせいであることを祈った/ 信じられなかった、でも気にしないことが正しいと思った」
問題作「Taylor Made Freestyle」と2Pacの遺族からの訴え
「Taylor Made Freestyle」は今年4月に公開されたが、後に2Pacの遺族からの訴訟警告を受け、配信プラットフォームから削除されている。遺族は声明で、「この曲は2Pacの知名度や遺族の法的権利を明らかに侵害しているだけでなく、偉大なヒップホップアーティストの一人である彼のレガシーを冒涜している」と厳しく非難した。遺族の弁護士であるハワード・キングはBillboardの報道によれば、ドレイクに対して送付した書簡の中で、この曲を「公然たる違反」と指摘している。
リル・ウェインに向けた言及も話題に
「wacced out murals」ではスヌープ・ドッグへの言及に留まらず、リル・ウェインに対するケンドリックの感情も表現されている。これは、ケンドリックが来年のスーパーボウルLIXのハーフタイムショーでパフォーマンスを行うことに対し、ウェインが不満を抱いていることへの反応だ。
「かつては『Tha Carter 3』を聴きまくってた、ロレックスを誇らしげに掲げてた / 皮肉だな、俺の努力がウェインを失望させた気がするよ」
さらに彼はこう続ける。「スーパーボウルを手にして、ナズだけが祝福してくれた / 他の連中は苛立ってるが、そんな顔を見られるだけで嬉しいよ」
この楽曲は、ケンドリックの率直な思いを垣間見ることができる内容であり、アルバム全体の中でもひときわ注目を集めている。ファンたちはこのリリースを通じて、ケンドリック・ラマーの複雑な人間関係や彼自身の心情に迫っていくだろう。Via