ケンドリック・ラマーが、自身を含む伝説的グループBlack Hippyのアルバムが実現しなかった責任を認めた。この発言は、2024年11月22日に突如リリースされた新作アルバム『GNX』に収録された楽曲「Heart Pt. 6」で明かされたものである。
この楽曲でケンドリックは、Jay Rock、ScHoolboy Q、Ab-Soulと共に活動していたTDE(Top Dawg Entertainment)時代を振り返り、グループ結成当初のストラテジーやセッションについて言及している。そして、最終バースでは、グループがアルバムをリリースできなかった理由として、自身の他のクリエイティブなプロジェクトへの集中を挙げている。
彼は次のようにラップしている。
「記憶をたどれば、Black Hippyがうまくいかなかったのは俺のせいだ/創作活動において、新しいコンセプトに向かって進んでしまったからな/トップ(Top Dawg)、覚えてるか?俺たちがセッションで戦略を練って、街を駆け回った後に3曲レコーディングした日のことを?」
ケンドリック、Drakeをナラティブから排除
「Heart Pt. 6」では、ケンドリックがタイトルを取り戻し、Drakeをナラティブから完全に排除した点も注目に値する。今年初め、Drakeがケンドリックの「The Heart」シリーズをハイジャックし、自身の「The Heart Part 6」でロサンゼルス出身のケンドリックをディスしたことがあった。しかし、この曲は後に配信プラットフォームから削除されている。
『Heart Pt. 6』は下記で視聴可能である。
Black Hippyの再会と将来の可能性
2024年夏、ケンドリックは「Juneteenth ‘Pop Out’」ショーでBlack Hippyのメンバーをステージに招き、一夜限りの再会を果たした。このファミリー・リユニオンは観客を歓喜させたものの、近い将来に新たな音源での共演が実現する可能性は極めて低い。
4月に放送された「The Danny Brown Show」で、ScHoolboy QがBlack Hippy再結成の可能性について尋ねられた際、「Black Hippyのプロジェクトは作らない」と明言している。「絶対にやらない」と強い口調で断った。
さらに「文化のためにやる可能性はないのか?」という問いに対しては、「文化なんてクソくらえだ」と答え、次のように続けた。
「文化って何だ?ラップ文化とは何だ?そんなものあるのか?」
真剣なトーンでQはさらに語った。
「今は全員がそれぞれ別々の道を歩んでいる状態だ。Dot(ケンドリック)はpgLangで自分のことをやってるし、俺は新しいアーティストを育てながら自分の道を進んでいる。もうBlack Hippyとしてやるべきことはやり終えた。俺にはこれからあと18枚くらいアルバムを作るつもりだ」
「だから、今は第2フェーズを探ってるところで、第3フェーズに行く準備をしている最中だ。Ab-Soulも作業しているし、Jay Rockも自分のプロジェクトに取り組んでいる。今の俺たちが一緒に集まる時間なんて、見つからない」
結論
『Heart Pt. 6』でケンドリック・ラマーが自身の責任を認めたことで、Black Hippyのアルバムが実現しなかった理由が明らかになった。だが、メンバーたちはそれぞれが独自の道を歩んでおり、再結成が近い将来に行われる可能性は低いだろう。それでも、ケンドリックの楽曲が示した過去の絆は、多くのファンにとって大切な記憶として残り続けるに違いない。VIA