XXLサイファーで見せつけられたリリシズムの真髄。Ab-Soul、Ferg、Sauce Walkaの3人は、その卓越した技術を持って言葉の力を証明した。このイベントは、11月15日(金)にNetflixで生中継される注目のボクシングイベント「ジェイク・ポール対マイク・タイソン戦」のプレイベントとして行われ、ヒップホップファンにとっては見逃せないものとなった。
昨年のサイファーラボが女性ラッパーたちの強さを示した一方で、今年のフォーカスは各地のラップシーンを代表する3人のMCたちに向けられた。西海岸の熱気を体現するカリフォルニア州カーソン出身のAb-Soul、独特のスタイルとフローを持つヒューストンのSauce Walka、そしてハーレムからの創造的なエネルギーを誇るFergが、それぞれの個性をぶつけ合いながらも、リリックへの深い愛情を共有する瞬間が訪れた。
Ab-Soulの深遠な視点
37歳のAb-Soulは、自らの言葉で現代社会に問いを投げかける。新ミックステープ『Soul Burger』のリリース直前、彼はサイファーで次のように語った。
「この大きな悪い世界は何も与えてはくれない/自分自身に貸しているんだ/我々の遺伝子に秘められた古代の偉大さが無駄になってる/ベルトを締め直させる」
と、世界に対する鋭い洞察を見事に示した。彼のバースは、哲学的な視点と個人の自己成長を織り交ぜたもので、聴く者に深い思考を促す。
Fergの帰還と未来
Fergは『Floor Seats II』から4年の沈黙を破り、新作『Darold』のリリースを控えている。36歳の彼は、サイファーの場で自身の経験を凝縮したバースを披露。
「金を稼ぐのに忙しい、叔父をストリートから引き離そうとしてた/4年間不在だったが、お前らまだヒットを出してねぇ」
と、音楽だけでなく個人としての挑戦と成長を語る。Fergのラップは単なる音楽ではなく、努力と困難を乗り越えた人間の物語を紡ぐ。
Sauce Walkaの鋭いメッセージ
自らを「ゲットーゴスペルの伝道師」と呼ぶSauce Walkaは、34歳という年齢で培ってきた経験と視点を駆使してサイファーに参加。
「俺がこんなリリックを吐くのを誰も聞きたがらねぇんだな/ストリートで頭のいい奴がバカなことのために命を落とすのを見てきた/なぜ起業精神が高校のカリキュラムにないんだ?」
と、社会や教育制度への鋭い問いを投げかけた彼の言葉は、多くのリスナーに新たな視点を提供した。彼のバースは、ただの自己主張ではなく、社会的メッセージを込めたものであった。
リリシズムを守る者たち
このサイファーラボで示されたのは、単なるラップスキルの披露ではなく、リリシズムの復権である。言葉の重み、音楽を通したメッセージの伝達、それらがこの3人のラッパーによって強調された。
11月15日(金)、Netflixでの生放送「ジェイク・ポール対マイク・タイソン戦」とともに、このサイファーを視聴し、是非ヒップホップが持つ可能性とリリシズムを再確認してほしい。VIA