シカゴのユナイテッド・センターが公演を直前キャンセル
ここ最近出所してから活動に精を出す NBA YoungBoy(エヌビーエー・ヤングボーイ/通称YB)ですが、 シカゴ公演が会場であるUnited Center(ユナイテッド・センター)の判断によって直前に中止されました。多くのコメントで色々な憶測が、、
チケットはすでに完売しており、公演日は2025年9月24日。多くのファンがSNSで「なぜ?」と驚きや不満を投稿するなど、大きな波紋を呼んでいます。
公式発表は「理由非公開」とされ、チケット購入者には自動返金が行われると案内されました。しかし、この突然の中止には、単なる運営上の都合ではなく、シカゴという都市特有のヒップホップ文化とアーティスト間の対立が影を落としているとみられています。
シカゴが抱える ヒップホップとストリート
シカゴは全米屈指のヒップホップの発信地であると同時に、ギャング文化や地域対立と密接に結びついた歴史を持っています。
楽曲上のディス(dis)が、実際のストリート抗争や暴力事件へと発展するケースも少なくなく、アーティストの公演は常に安全面でのリスクと隣り合わせです。
今回のNBA YoungBoyの中止劇も、このシカゴという都市ならではの緊張感あるコンテクストを抜きにしては語れないのだと思います。
King Vonとの確執が残した影
特に注目すべきは、シカゴ出身の人気ラッパーで、2020年に銃撃事件で命を落とした King Von(キング・ヴォン) との因縁です。
彼とNBA YoungBoyの関係は、音楽的なディスから始まり、次第にファンや周囲を巻き込んだ大規模なビーフ(対立)へと拡大していきましたよね。
Vonの死にはYBサイドの関係者が関わったと噂され、両陣営のファンの間には今も深い緊張が残っています。そんな中、Vonの地元=シカゴでのYBの公演は、開催前から「トラブルの火種になるのではないか」と危惧されていました。
やはりKing Vonを撃ったLul Timは、NBA YoungBoyの弟分であるQuando Rondoの親友だからなんだと思います。
会場が下した「安全最優先」の判断
実際、公演の数日前にはユナイテッド・センターから「全てのバッグの持ち込み禁止」という異例のセキュリティ強化策が発表されていました。
しかし最終的には、公演を強行するよりも「万が一の事態」を避けることが優先され、中止という苦渋の決断に至ったと考えられます。
NBA YoungBoyの母親もSNSで「みんなの安全を守るためにキャンセルになった」と発言しており、関係者の間でも安全面のリスクが大きく意識されていたことは明らかです。
Kayla Bの冷ややかな反応
故King Vonの姉である Kayla B は、この中止のニュースに対し「挑発したかっただけでしょ?結局できなかったじゃない」と、冷めたコメントを残しました。
この発言は、単なる家族としての感情ではなく、シカゴヒップホップシーンに根付く緊張の深さを象徴していると思います。
音楽ビジネスと安全管理のリアル
おそらく今回の中止は、単なる「一公演のキャンセル」ではなく、
アーティスト間の確執が現実のイベント運営に影響を及ぼすこと、会場・主催者はアーティスト人気よりも「安全第一」で判断せざるを得ない状況、ヒップホップというカルチャーが持つストリートとの関係性が依然として強いことではないかと
ライブビジネスの現場においては、アーティストのブランド力やファン需要だけでなく、治安・保険・警備体制が最終的に「開催可否」を左右する現実があるのです。
今後のツアーと注目点
NBA YoungBoyの「MASAツアー」は、シカゴ公演こそ幻となったものの、今後はコロンバスやブルックリンなど、他都市で予定通り続行されます。
ただし今回の出来事は、今後のYBの活動やツアーブランディングにおいても「安全性確保」が避けられないテーマとなるのだと思います。
ヒップホップの対立構造とライブ運営の難しさを浮き彫りにした今回の一件でした