月曜日, 9月 22, 2025

カニエウェストに新証言『お前は終わりだ』側近が告発―従業員の脳スキャン、日本でも問題の笑気ガス乱用

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カニエ・ウェスト、元「情報局長」との法廷闘争

ここ最近取り上げたドンダアカデミーから特に目立った動きがなかったカニエ・ウェスト(Ye)だが、今回また新たな敗北を喫した。現在、彼は2022年の大統領選挙活動中に雇った「情報局長」を名乗る人物から訴訟を起こされている。この男性はPTSDを抱える元軍人であり、カニエから自身の周囲の人々、さらには元妻キム・カーダシアンや現妻ビアンカ・センソリの私生活調査を命じられたと主張している。

さらに彼は、カニエが主宰する「ドンダ・アカデミー」で児童虐待の疑いを報告した後、命の危険を感じるような脅迫を受けたと証言している。カニエ本人から「お前はもう終わりだ」と言われ、またオペレーションマネージャーからも「家族が危険に晒される」と警告されたという。

「私はYeとYeezy LLCのインナーサークルに属し、他の従業員への嫌がらせや報復の数々を目撃した。その恐怖のために多くの社員が去っていった」

と、原告は語る。

彼によれば事態がさらに悪化したのは2024年であり、その頃カニエが亜酸化窒素(いわゆる笑気ガス)を乱用し始めたと主張している。この男性は報復、労働法違反、未払い賃金などを理由に7桁以上の損害賠償を求めている。

つまり、カニエの行為はアメリカだけのスキャンダルではなく、グローバルに共通する「ドラッグ乱用」という社会問題の一部でもある。アーティストとして世界的影響力を持つ存在がそのような物質に依存していたとすれば、その文化的インパクトは計り知れない。

最近、裁判所はカニエ側の「原告の実名公開を強制する」申立てを退けた。これにより、原告は身の安全のため匿名のまま裁判を進められることが確定した。

裁判官は次のように判断した。

「原告は被告に対して身元を隠しているわけではなく、あくまで一般公開を避けているにすぎない。したがって被告が証拠収集や尋問を行う妨げにはならない」

笑気ガス乱用と“ゾンビたばこ” ― 日本で急拡大する新たなドラッグ問題

日本でも現在、亜酸化窒素(=笑気ガス) と エトミデート の両方が若者の間で問題化している。

笑気ガスはクラブやパーティーで吸入され、一時的な多幸感を得られる一方で、神経障害や記憶障害を引き起こす危険性がある。

一方、エトミデートは電子タバコのリキッドに混入され「ゾンビたばこ」と呼ばれ、急な意識消失や震えなどの症状を伴い、逮捕事例も報告されている。

いずれも見た目の手軽さから若者に拡散しやすく、SNSを通じて急速に広まっていることが共通点である。厚生労働省は規制を強化し、摘発と啓発の両面で対応を進めている。

カニエ・ウェストの元側近が証言した「笑気ガスの乱用」は、もともと歯科治療や医療で使用されるガスであるが、その陶酔作用から一部の若者に乱用され、記憶障害や神経障害といった健康被害が報告されている。2023年には日本政府も規制を強化し、無許可での販売や乱用に対して厳しい取り締まりを行っている。

2025年5月、沖縄県内で「笑気麻酔」と呼ばれる危険ドラッグが流通していることが確認され、厚生労働省はその成分として検出されたエトミデートを新たに指定薬物に指定した。これにより、医薬品医療機器法に基づき製造・輸入・販売が全面的に禁止され、違反者には厳しい罰則が科される。一般の所持や使用でも処罰対象となり、違反した場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、営利目的の場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科せられることとなった。

沖縄本島南部では、10代から20代の若者を中心に、この薬物が電子たばこのリキッドとして出回っている。果物系のフレーバーが付けられるなど一見して親しみやすい形態を取っており、興味本位で手を出すケースが後を絶たない。実際の使用者からは「急に意識が飛ぶ」「手足が震える」「感情が不安定になる」といった症状が報告されており、過剰摂取による体調不良や事故につながるリスクが強く懸念されている。

    YesJulzが語る「カニエは従業員の脳をスキャンした」衝撃のエピソード

    カニエ・ウェストの異質さを物語るエピソードは数多いが、元スタッフであるYesJulzの証言は群を抜いている。彼女によれば、カニエはシカゴのトランプタワーに脳スキャンの専門医を呼び寄せ、従業員たちの脳を測定させたという。

    YesJulzはSNSで当時を振り返り、こう明かした。

    「チーム全員の脳を検査して、最高のパフォーマンスを発揮できるように調整しようとしていたの。睡眠や食事、生活習慣まで医師の助言を取り入れて、Yeは徹底的に“最適化”を追求していた」

    この異常ともいえるエピソードは、最新ドキュメンタリー『In Whose Name』にも繋がっている。本作では、カニエが元義母クリス・ジェンナーと口論する場面や、精神科治療を拒否して「薬を飲むくらいなら死んだ方がマシだ」と語る場面も収録されている。さらに、世界中を騒がせた反ユダヤ的発言についても包み隠さず取り上げられており、製作者ニコ・バジェステロスは「人間としての深みを描くことが目的であり、ヘイトスピーチを肯定する意図はない」と語っている。

    カルチャー的考察

    この一連の出来事は、単なるセレブのスキャンダルにとどまらない。カニエ・ウェストは音楽業界を超え、政治、ファッション、教育までその影響力を広げてきた存在である。そのカリスマ性と異常行動は常に表裏一体であり、信者的な支持と激しい批判を同時に呼び込んできた。

    今回の裁判は「権力者の暴走」と「従業員の人権保護」という現代社会に通じるテーマを映し出している。同時に、YesJulzの証言が示す「人間の能力を最大化しようとする狂気的な執念」もまた、カニエという人物を理解するうえで欠かせない要素である。

    カニエ・ウェストという存在は、アメリカ文化の矛盾と野心を象徴する“鏡”なのかもしれない

    VIA VIA2

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